亡き母 2024
油彩 33.3x24.2cm
先月半ばに91歳で亡くなりました。数年前からアルツハイマー型認知症を患っていました。4月に誕生日を迎えたばかりの旅立ちでした。(上記は、4年前の写真を元に作成しました。)3月7日にようやく入院したとたんに病院内で、右、左と次々に大腿骨骨折し、金属を埋め込む手術をしました。『91歳』という年齢を考えると大往生と言えるかもしれません。しかしこのタイミングでの彼女の死には、複雑な事情が絡んでいます。モヤモヤとする気持ちは今後もずっと続くと思います。
実は、亡くなる2ヶ月と少し前まで自宅で父と暮らしていたのです。彼女がようやく入院できたのが3月7日でした。その後、4月10日に父を医療保護入院により、民間救急車で強制的に血管性認知症介護の病院に入院させました。父は健在ですが、母の死を知りません。
父は、母が家庭内から居なくなるのを恐れ、家族でさえも自宅内に踏み込むことを拒み続けたのでした。隠し続けていました。母は放心状態でした。母の深刻な病状よりも自らのエゴを貫いての行動でした。認知症だからという理由で許されることだったのでしょうか?
高齢化社会は、どんどん進んでいきます。高度の医療技術により、人は死ななくなり、体が元気で脳が病んでいく老人は増え続けるでしょう。母の様子、真実を察知してもっと早く入院、保護してあげられなかったこと、悔やまれます。深刻な高齢化問題、身にしみます。
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