山本智子さんの作品「6つの赤いハイビスカス」に心惹かれて藤屋画廊に足を運びました

  • 2019.9.27

    山本智子さんの作品「6つの赤いハイビスカス」に心惹かれて藤屋画廊に足を運びました

     電子DMで送られてきた「6つの赤いハイビスカス」を観てまず連想したのは、アンディ・ウォーホルの「マリリン・モンロー」だった。もちろん違いはある。片や油彩で片やシルク・スクリーン。片や花の絵で片や人物。複数の画面を分ける境界の装飾も全然違う。しかしそういった相違以上に、色違いの背景の中に華やか対象をほぼ正方形のマトリクス状に配置した構成に、というかリズム感に、通底するものを覚えた。

     マリリン・モンローはいうまでもなく20世紀中盤の米国を代表するセックス・シンボル。ウォーホルの作品の中でも艶然と微笑み、鑑賞者を真正面から魅了する。華やかで美しく、エロティックだ。しかしそんな彼女も36歳という若さでこの世を去った。衰弱死説もあれば自殺説もあり、さらに謀殺説まである。しかしいずれにせよ精神的に不安定でドラッグに蝕まれていたことは間違いない。ウォーホルの作品が製作されたのはモデルの死後になるが、屈託のない笑顔の背後にあるそんな弱さまで表現する意図があったのか。それはわからない。

     ハイビスカスの方はどうだろう。実は作品と連動するかのように、山本さんがコメントを寄せている。それによると、南国の太陽の下で咲く原色というイメージが強い一方で、花そのものは意外とはかなく、ほとんど一日で寿命がつきてしまうという。画廊でもう少し詳しく話を聞くと、「ハワイで実際に花を摘んで描いたが、翌日にはまるでつぼみに戻るような感じで全体が閉じ、最後には散ってしまう」とのこと。そんな薄命も含めての魅力ということだろう。だからこそ、会場を彩る色とりどりの花弁や種子のエネルギーに、深い精神性が感じられた。多くの作品に描かれた花粉を思わせる粒子の生命力は、花の寿命の短さと表裏一体のものなのかもしれない。

    銀座 藤屋画廊の公式ホームページ