アトリエから ひとこと
多くの方々にとって“花”は、身近でしょう。花に直接触れたり、近づいて香りを感じたり、無造作に唇でふれてみたり、あるいは、誰かを喜ばせるためにプレゼントしたりすることもあるでしょう。または、熱烈な園芸家の方もいらっしゃるでしょう。私もそういう人間のひとりです。
そんな中、あまり注意を払われることもない植物たちの“核”なる部分、そういう中心から外部へむかっているその“ありさま”に私は、特に魅力を感じています。中心から外へ向かって花びらが開いてくる姿は、神秘的です。自然と焦点を当てて描いてしまいます。大きく巨大化して描くことにより、普段は忙しくて花とは無縁な方々にも少しだけ注目してもらい、身近に感じていただけるのが願いです。
また、花だけでなく果実や野菜もわたしにとって魅力あふれる存在です。果物は、たったひとつでも充分にパワフルです。
最近、とくにおしゃれな形状や個性的な色をした野菜や果物を目にします。なので、スーパーマーケットへ買い物にいくことは、本来の目的以外に楽しさがあります。必要な野菜を探しながら、絵のモチーフになりそうなものを見つけたりします。ミニトマトは、その中でもお気に入りの野菜です。「カラフルミニトマト」の作品にエッセーを添えてありますので、ご一読下さい。
そんな中一年程前、海外でちょっとした体験をしました。それを機に果物と花の両方をキャンバス上に組み合わせるという発想に至りました。それ以来、双方をマッチングさせ、キャンバス上に構成しています。そのエピソードに関しては、「フルーツの上の蘭1」の作品のエッセーをご参照ください。
絵のモチーフとなりそうな果物、野菜を入手すると手早くキッチンで組み合わせ、花をあしらい、白や黒い布の上に置き、無造作に形つくっていきます。傷まないうちに終えてしまわないといけません。ときには、好みのテーブルマットや布の上に拘りのお皿や透明の器を置き、主役、脇役を加え、整えます。最後は、胃のなかに入っていくものもあるので、早く食べたいという気持ちも後押しし、急ぎ気味で動き、描き始めます。といった極めて日常生活の延長線上に私の発想があるのです。
2019年10月26日より31日まで、- 心なごむ “花と果実”- と題した油画展を東京・自由が丘で行います。私が日々美しいと想い、見ていて心休まる花や果物が主役です。昨年の銀座での個展と違い、今回は、大きい作品は極めて少ないです。小さい作品を中心に販売もいたします。
さらに、わたしが趣味で続けているアクセサリー作品も合わせて販売いたします。2002年にヴェネチア・ムラーノ島で自ら買い付けのヴェネチアンビーズ使用のオリジナルネックレスやかわいい国旗のイヤリングなどを予定しております。
自由が丘駅から徒歩4分の新しくてお洒落なギャラリーです。ガーデンテラスもあり、青い空と植物が一体となって絵画をお楽しみいただけます。
秋のひとときを自由が丘でアート散歩はいかがでしょうか?
みなさまとお会いできるのをたのしみにしております。